導入前の課題
- 個人情報・機密情報のセキュリティ担保
- スムーズな情報共有
- 確実なデータ保存
導入システム
- DiskStation DS918+
- 5年当日オンサイト保守
導入メリット
- セキュアなデータ管理
- 社内の情報共有の促進
- 二重三重のデータバックアップ
「神社は本来的にアナログの世界。その一方で、デジタル文化への対応は、今後避けて通ることができない課題の一つ。Synology NAS導入は、その第一歩と考えています」
秘書課長 権禰宜
逸見 忠志氏
SNSにも力を入れる全国有数の初詣スポット
「すみよっさん」の名で親しまれる住吉大社は、全国有数の初詣スポットとしても知られ、正月三が日に訪れる参拝者数は例年200万人を数える。同社ならではの信仰として知られるのが、商売や家庭の発達繁栄を願い、月初めの辰の日に参拝を行う初辰参り。「四十八辰」を「始終発達」に掛け、4年を一区切りに、48回参拝すれば満願成就する「はったつさん」は、実業界からの信仰もあつい。また、大阪の夏を締めくくる住吉祭の映像化など、摂津国一之宮として長年にわたり受け継がれてきた貴重な文化をデジタルデータとして保存する取り組みを進めることも同社の特長の一つだ。
「参拝に足を運んでもらうために、SNSなどのデジタルメディア活用は避けて通ることができない課題の一つです。当社としては、今後もデジタル化の取り組みを積極的に進めていきたいと考えています」と秘書課長 権禰宜の逸見 忠志氏は語る。
個人情報・機密情報の保全と情報共有が大きな課題に
神に仕える神職の仕事は、当然ながら多岐にわたる。財務・経理業務から御守の在庫管理、さらにはSNS投稿など多様な仕事を遂行するためにPCは不可欠な存在だ。こうした中、浮上した課題が、個人情報・機密情報から大容量の動画ファイルといった多様なデータの一元管理だった。
「特に大きな課題と感じたのは、参拝者名簿をはじめとする個人情報の保全でした。当社の場合、必要に応じてその都度、デジタル機器を買い足していったという事情もあり、これまではネットワークは部署単位で構築し、各部署では1台の共有PCに蓄積された情報を参照しながら業務を行っていました。そのため、部署間のデータのやりとりはUSBメモリで行うことが常態化していました」(逸見氏)
必要に応じ、用度課の担当者が量販店でPCを購入し、セットアップする作業は極めて煩雑なものだった。この課題を解決すべくWindows 10への移行に合わせ、同社は以前から取引がある販社の営業担当者に、サポートまで含めた全面的なリプレース提案を依頼。その際に提案されたのがSynologyNASによるデータ管理だった。
本来業務に集中できる時間の確保が第一の狙い
Synology NAS導入の効果は大きく3つ。一つは、個人情報・機密情報のセキュアな管理の実現だ。データのやり取りに外部メモリを使わないことで、情報漏えいのリスクが減り、データの取り扱いに安心感が増した。また、フォルダ単位のきめ細かなアクセス権限が設定できるため、データの重要度に応じた閲覧設定を定めることができた。
次がスムーズなデータ共有。動画などの大容量データも含め、各部署間で簡単にデータ共有が実現したことはSynology NAS導入の大きな効果の一つだ。
「PC本体の容量だけでは足りず、外付けHDDに保管するなど、撮りためてきた画像・映像データの管理も大きな悩みでした。大容量のSynology NASによる管理一元化は、こうした課題を過去のものにしています。また各人のPCから直接データにアクセスできる環境は、ペーパーレス化の第一歩としての役割も果たしています」(逸見氏)
そして最後の効果として、確実なデータ保存が実現した。現在、複数のドライブによるRAID構成により冗長性が担保されるほかに、SynologyNAS搭載アプリによるMicrosoft OneDriveへの自動同期により、二重三重のデータ保護が実現している。
今後の課題として挙げるのは、SynologyNASを中核としたモバイルワークの実現だ。
「例えば初詣の際には、われわれ神職が境内各所で参拝者の対応やアルバイトの管理にあたります。その際、Wi-Fiを経由してモバイルPCからSynology NASにアクセスできると、業務はかなり効率化できるはずです。神職の仕事は、本来極めてアナログなものです。その一方で、SNSによる情報発信など、付帯業務のデジタル化は確実に増えています。付帯業務の効率化は、神に仕えるという本来の仕事に集中する時間を確保するためにも避けられない課題であると考えています」(逸見氏)