導入前の課題
- ファイルサーバーの運用管理工数の削減
- クラウドへのバックアップ環境の整備
導入システム
- Synology純正HDD 8TB×12本
- 追加メモリ16G×2, オンサイト保守付
- RackStationRS820+, HDD 12TB×4本
導入メリット
- 直感的な操作で属人化しにくい
- バックアップの構築時間を大幅に短縮
- 保存できるデータ容量が数倍にアップ
「Synology NASを導入したことで、クラウドバックアップの運用が容易に行えるようになりました。今後も高いセキュリティレベルを維持しながら、データの利活用を推進していきます」
生産本部 情報システム部 部長
新(あたらし) 正二郎氏
「当面は、Synology NASを社内の情報共有基盤として活用していきます。基幹系と生産系システムの統合管理や工場のIoT化の基盤として有効活用していく考えです」
生産本部 情報システム部 情報管理課 主任
吉田 敦氏
「Synology NASの一番の導入メリットは、作業効率がアップし、運用コストが下がったことです。以前のようにバックアップの構築作業に多くの時間を費やす必要がなくなりました」
生産本部 情報システム部 情報管理課
河野 有妃也氏
卓越した研究開発力と生産技術力で自動車産業の多様なニーズに即応
埼玉県久喜市に本社を構える株式会社エフテックは、1947年に設立された。創業当初は、ブリキのおもちゃを製造していたが、本田技研工業との出会いをきっかけに大きな転機を迎える。ホンダのオートバイや自動車の部品を受注して急成長を遂げる。ホンダの海外進出に伴い、海外にも製造拠点を設置。グローバル企業として大きくジャンプアップした。その後、ホンダ以外の国内外主要自動車メーカー向け部品生産も行い、事業規模を拡充している。
現在は、自動車の足廻り機能領域の専門メーカーとして、部品の設計から試作・試験・量産・品質保証まで一貫して行っている。
最大の強みは、変化の激しい自動車産業のニーズに適応した高品質で低価格な部品をグローバルに提供できる研究開発力と生産技術力を有していることだ。不良品を出さないために品質管理の意識も極めて高い。
運用管理が容易なSynology NASで従来のファイルサーバーの課題を解消
以前は、本社や工場にファイルサーバーを設置し、部署ごとに共有フォルダを作ってデータを管理していた。例えば、本社の管理本部では総務や人事のデータを、工場では金型などの生産系のデータをそれぞれ個別に運用していた。しかし、データ量が増えるにつれて弊害が生じてきた。
生産本部 情報システム部 部長の新(あたらし)正二郎氏は、「各部署の運用管理の負荷が増える一方で、必然的に部分最適になってしまうので、全社の情報共有が円滑に進まないという課題がありました。そこで、2020年4月から情報システム部で全体最適化を図る取り組みに着手しました」と語る。
その際、既存のファイルサーバーの問題点を解消することが重要なポイントだった。生産本部 情報システム部 情報管理課の河野 有妃也氏は、「従来のファイルサーバーは、バックアップの処理速度が遅い、データを整理する際に数十万件のファイルの権限変更をすると動作が停止したりなど、運用管理が非常に大変でした。スクリプトを作成しないと、クラウドへのバックアップが容易に行えないことも課題の一つでした」と語る。
そうした中、河野氏がインターネットで情報収集しているときに目に留まったのが、KSGからSynology NASを導入して顕著な効果を上げてい る他社事例だった。さっそく、KSGに問い合わせを行い、いろいろ話を聞くうちにSynology NASの費用対効果の高さを実感し、選定するに至った。
「実装済みの豊富な機能を使って運用管理が簡単に行えるため、当社の課題を解決するうえで一番使いやすいツールだと確信しました」(河野氏)
豊富な機能で運用管理工数を削減し、バックアップの構築時間を大幅に短縮
2021年7月にSynology NASを本稼働させた。Synologyの公式サイトの情報を参考にすることで事前に運用イメージができていたので、ファイルサーバーからの移行作業はスムーズだったという。
「実際に運用を始めて実感したことは、SynologyのDSM(DiskStation Manager)がかなり使いやすいことです。誰でも直感的に操作できるので、属人化しにくい利点があります」(河野氏)
Cloud Sync機能により、最初から主要なクラウドストレージサービスとの連携機能が用意されているため、クラウドへのバックアップも容易に実現している。それにより、バックアップの構築時間が大幅 に短縮された。
生産本部 情報システム部 情報管理課 主任の吉田 敦氏は、「従来のファイルサーバーと同等の値段で、保存できる容量が何倍にも増えたことも大きなメリットです。まずは、これまで社員が個別に管理していた情報を共有しやすい環境づくりに注力します。そのうえで、Synology NAS を増設してHA化を図り、セキュリティ対策やBCP対策をより一層強化していきます」と語る。
次の施策としては、可用性を高めるためにバックアップ用のSynology NASを導入する予定だ。そして将来的には、工場のIoT化も視野に入れている。工場の生産ラインを常時監視し、何か問題が起きたときに画像や映像で即座に原因を特定できる仕組みを検討している。そのためには、長時間の映像を保存するために大容量のハードディスクが必要になるので、Synology NASが大いに役立つと期待を寄せている。