導入前の課題
- 作業用HDDの処理速度の向上
- バックアップ環境の強化
- テレワークへの対応
導入システム
- Synology DiskStation DS1621xs+ ×2
- Synology DiskStation DS920+ ×2
導入メリット
- 印刷業務の処理速度が格段にアップ
- バックアップの効率化・安定運用を実現
- コロナ禍のテレワークに円滑に対応
「お客様が求めているのは、価格の安さとスピードです。そのためには、削れるものは削り、必要なものには投資をする。それが当社のスタンスです。今回、その業務基盤が整備された効果は大きいです」
代表取締役
東野 眞輔氏
企画デザインから印刷、加工、梱包DM発送までワンストップで対応
D.P.P.株式会社は、千葉県我孫子市の本社と柏オフィス、丸の内オフィスの3拠点で印刷事業を展開している。折込広告、チラシ、ポスター、冊子印刷、その他一般印刷の企画デザインから印刷、加工、発送までワンストップで対応。オフセット印刷・オンデマンド印刷・DM(ダイレクトメール)を融合することで低コスト化を実現している。
特に近年は、DM業務の需要が急増し、売上を堅調に伸ばしている。かなり以前から不動産業者のチラシのDM業務を手がけてきた実績があり、そのノウハウを生かし、ビジネスを拡充。業界最安値、データ入稿から最短2日でDM発送、全国どこからでもサービスを利用できるなど、業界を一歩リードする体制をいち早く整備していることが大きな強みだ。
SSDとSynology製品の組み合わせでHDDの処理速度の課題を解消
同社は、以前からHDDの共有スペースで直接作業を行ってきた。社員が自分のPC上で作業を行うと、そのデータをリアルタイムに共有できなくなるからだ。ところが、Illustratorで作成した印刷用データは容量が大きい。そのため、データ量の増加に伴い、複数の社員がHDDに同時にアクセスすると、処理速度が極端に遅くなるという課題が表面化してきた。
そうした中、代表取締役の東野 眞輔氏が着目したのがSSDだ。メモリチップを記録媒体としてデータの読み書きを行うことで処理速度が格段にアップすることが最大の利点だった。そこで、オンデマンド印刷機などの導入で取引していたリコージャパンに相談し、提案を受けたのが、ストレージにSSDを搭載したSynologyのDiskStationだった。
「以前はHDDのフォルダに数万件のデータが保存されているので、フォルダのプレビュー画面が開くまでに数分かかり、かなりストレスを感じていました。しかし、Synologyの製品に移行することで、そのストレスが確実に軽減されるので、まさに最適な選択肢でした」(東野氏)
具体的には、本社のメイン機にDS1621xs+、バックアップ機にDS920+を導入。その後、柏オフィスにも同様のメイン機とバックアップ機を追加導入した。その際、Hyperバックアップ機能を有効活用。万が一、それぞれのメイン機にトラブルが発生しても、バックアップ機にデータを保管しておくことで業務が継続できる環境を整えている。
「以前は、運用管理がしやすいように、本社にだけHDDの作業環境を設置し、柏オフィスからはVPNで接続して利用していました。しかし、それだと処理速度がどうしても遅くなってしまいます。そのため、柏オフィスにも本社と同じ仕組みを導入し、会社全体の作業効率を高めています」(東野氏)。
作業効率が格段にアップし、テレワークにスムーズに対応
Synology製品の導入により、ファイルの読み書きがストレスなく瞬時に行えるようになり、作業効率が格段にアップしている。
そのうえで、Synology製品に実装されている便利な機能を効果的に活用している。その一つが、QuickConnectだ。事前に設定したURLを入力するだけで、社外からファイルのダウンロードやアップロードが簡単に行えるので、コロナ禍でテレワークがスムーズに行えるようになったという。
「社内でコロナの陽性者は一人も出ていませんが、濃厚接触者として自宅待機をしなければならないケースもあります。そのときに、ノートPCを自宅に持ち帰って、ブラウザのダウンロードボタンを押すだけでファイルが取り込め、作業が終わったらアップロードすれば済むので、すごく楽です」(東野氏)
顧客と入稿データなどをやりとりする際には、File Stationという専用のWebページで設定できるファイル共有機能も活用している。ただし、大手企業は、セキュリティ上の問題で直接やりとりできないケースもあるので、その辺の問題をクリアできれば、作業効率がますます高まるという。
今後も、処理速度がより速い製品がリリースされれば積極的に導入し、ストレスのない快適な作業環境を整備し、ビジネスを拡充していく考えだ。