導入前の課題
- ファイルサーバーの管理工数の削減
- バックアップの世代管理と安定運用
導入システム
- Synology DiskStation DS1618+ ×2台
- Synology SAT5200(480G)×1(1台に付)
- 搭載 HDD(4TB)×5(1台に付)
- Synology E10G18-T2 ×1(1台に付)
導入メリット
- 安定運用とファイルの迅速な復旧
- 運用管理の負担を大幅に軽減
- 低コストでHA構成を容易に実現
「Synologyの製品は、ファイルサーバーのHA構成を低コストで容易に実現できるうえ、バックアップ業務の管理工数を大幅に削減できます。導入した直後から、従来の課題が一気に解消されました」
ICTソリューション本部長 総務部長 取締役
西谷 健氏
「アップデートも迅速かつ簡単に適用できるので、これまでトラブルは一度もなく快適に稼働しています。低価格ながら信頼性が高いので、バックアップ業務でお困りの方には、ぜひお勧めしたいです」
ICTソリューション本部 ネットワークソリューション部
コントラクトデベロップメントユニット
中武 義将氏
地方自治体の防災無線など、豊富な実績と技術力で市場を拡大
株式会社イ・エス・エスは、1976年の創業以来、ICTインフラソリューションベンダーとして、ミッションクリティカル性の高い技術領域で業務を行っている。例えば、地方自治体向けに防災無線・消防救急無線・CATVのコンサルティングを、通信事業者や通信機器メーカー向けに通信インフラの設計・構築・検証を実施してきた豊富な実績がある。
近年では、エンタープライズ市場やクラウド・DXへ技術領域を広げ、あらゆる業界向けにICTを活用した業務支援を展開。これまで積み重ねてきた技術力をベースに、チームによる常駐支援やシステム構築の業務委託、アプリケーション開発など、小回りの利いた高品質なソリューションを提供していることが大きな強みだ。
バックアップ業務の課題解決に、予算内でHA化できるSynologyを選定
導入前は、自社でファイルサーバーを組み立て、外付けのハードディスクを接続してバックアップを取るなど、独自の運用を行っていた。しかし、事業規模の拡大に伴い、多くの課題に直面していた。
例えば、「障害の際、待機系へのアクセスには、管理者の設定変更とユーザーの再起動が必要」なことや「ユーザーは管理者にバックアップファイルからの復元依頼が必要」など、管理に手間がかかっていたのだ。管理者は本来業務と兼務のため、障害時、すぐに対応できないことも大きな課題だった。
また、旧システムのバックアップは1日ごとに実施するため、その日の業務で編集・作成したファイルは復元できない。しかもバックアップソフトが不安定なため正常に完了しない日もたびたびあった。その他にもバックアップは社内で完結しているので、災害対策にも不安が残っていた。
そこで、既存のファイルサーバーの保守契約が切れるタイミングでシステムを刷新。複数のNASメーカーの製品を比較検討する中で、最終的に選定したのが、Synology 製品だった。ICTソリューション本部長 総務部長 取締役の西谷 健氏は選定理由をこう語る。
「ハードウェアの障害対策を実現するためにはHA構成が必須でした。予算内でHA構成が実現できるNASメーカーは、検討時にはSynology社のみでした。機種選定はストレージ容量やスイッチとの接続の兼ね合いで、DS1618+が最適と判断しました」
その後、約1カ月の準備期間を経て2020年10月末にSynologyを導入。構築作業に携わったICTソリューション本部の中武 義将氏は当時をこう振り返る。
「導入時に配慮したことは、各種ヘルスチェックやバックアップなど負荷の高い処理が重複して動作しないように、それぞれの実行時刻を調整したことです。その一方で、HA構成は、専用のアプリケーションをインストールして2台を接続するだけで完了するので、とても簡単でした」
バックアップの多重化を実現し、安定稼働で管理者の負担が軽減
導入後は、従来の課題は一気に解消し、ファイルサーバーの安定運用を実現。とりわけ、バックアップが多重化された効果は大きいという。
「従業員の誤操作によるファイル喪失対策として、15分単位でスナップショットを取得しています。万が一、ファイルを喪失した場合、管理者に頼ることなくファイルの復元が簡単に行えるので大変好評です。さらに、災害対策として外部のクラウドストレージに接続して、1日ごとにバックアップを取っています。そのため安心感が増しました」(中武氏)
Synology NASでは、独自のバックアップツールやセキュリティソフトを利用できるため、導入コストや保守コストも安価に抑えられた。
「システム管理者の負担が軽減したことも大きな導入効果です。本業であるICTソリューション事業に集中できる時間が増え、お客様対応が迅速に行えるようになりました」(西谷氏)
今後は、自社開発のWebサービスのバックアップをまるごとSynologyで行うことで、安心・安全なデータの運用と管理を目指しているとのことだ。